【書評】 実戦MBA 財務会計

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MBA財務会計 日経BP実戦MBA〈3〉
金子 智朗

日経BP社 2002-06
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 この本は貸借対照表や損益計算書を基本とする財務会計に関する入門書です。これを読むと企業はどのような動機でビジネスを行っているかということがよくわかります。例えば企業は効率を上げるために機械化して人件費を減らそうとします。サービス業はどうしても機械化ができない業種であるため効率の低いビジネスとされています。

 また今の税制の矛盾もわかってきます。会計理論の基本として保守的指向ということがあります。これは前もって予想される損害はあらかじめ財務諸表に計上するという原則です。しかし国はたくさん税金をとりたいために認めないことが多いのです。

 例えば製造メーカーは製品の初期不良は無償で修理、交換してくれますが、これは会計上では損金になります。通常は引当金ということでこの損金をあらかじめ計上しますが、国はこれを経費としては認めていません。

 国は支出を抑える努力を十分していないにも関わらず税金をいっぱいとろうとしていることがわかります。税金を徴収する部署と使う部署が連携していないからこのようなことが起こるのでしょう。

 またEVAという考え方も今までの企業ではなかったものです。EVAとは投資家から調達した資金のコストも収支にいれこむという考え方です。つまり通常であれば企業があげた利益から借りたお金の元本や利息を引いた残りが純利益となりますが、これからさらに株主へのリターンも引くということです。

 株主は自分のお金を増やしたいから株式投資をします。それを受ける企業は投資されたお金に利息をつけて返さなければいけません。この利息は国債の利率を基準に計算されます。これは国債はリスクがない投資先として基準として使われます。一部上場の企業で平均7%くらいになります。これが資金調達コストになります。これをさらに収益から引くのがEVAの考え方です。

 自分でビジネスを行おうと思うと会計の知識は必要です。どのように利益を増やすのか、資金調達をどこからするのかなどお金の心配は経営者がしなければいけません。

 ほりえもんはお金を稼いでから好きなことをすればいいと言っていましたが、その気持ちはわかるような気がします。技術が好きでも会社を経営するということは技術の仕事はほとんどできなくなります。エンジニア上がりの社長はそのあたりで矛盾を感じるのでしょうね。

 私はエンジニアですが、会計やファイナンスもエンジニア向きの仕事だと感じているのでそんなに苦痛は感じていません。保守的で職人的なエンジニアにとっては苦痛かもしれませんが、私のように新しもの好きのエンジニアには別の新天地ではないかと思います。10年くらいの経験を持つエンジニアの方はステップアップとしてファイナンス関係の勉強をしてはいかがでしょうか?

 

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