日本のIT業界は復活するのか?

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日経BPのサイトで前年度の日本のIT業界の業績が出ていました。

ソフト会社に明日はない?

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20100517/348064/?ST=ittrend

記事ではソフト会社と言っていますが、ここに出ている会社はいわゆるSIerです。

NTTデータはITゼネコンですし、NSソリューションやCTCは製品売りがメインです。

(最近はそれだけでは食べていけないのでソフト開発もやってるかもしれませんが。)

しかし、いくら不況とはいえ目を覆いたくなるような惨状です。

これは単なる不況のせいではなく日本のIT業界の構造的な問題だと思います。

そう思う理由は次の通りです。

1 中国、インドなどの新興国の台頭

ソフトウェア開発に関しては間違いなく中国、インドの影響があると思います。

受託開発は労働集約的なビジネスなので、人件費の安い方に流れてしまうのは仕方のないことでしょう。

たしかにオフショア開発の成果物の品質は問題はあるでしょうが、では日本企業は高品質かと言えばかなりあやしいと思います。

2 差別化の努力をしてこなかったつけ

日本のIT企業はいままでどこも横並びで独自の製品やサービスの開発に力を入れてきませんでした。

いままではそれでもやってこれましたが、IT製品のコモディティ化に伴って売ることが難しくなってきたのだと思います。

3 中小は派遣や箱売り、大手はゼネコン化して安易なビジネスに流れていた

独自の製品やサービスを開発することはとてもリスクの高いことです。

なので多くの中小企業は派遣や売れ筋商品の箱売りばかり行うようになってしまって、受託開発さえやらなくなっていきました。

そして大手は外注管理のみを行うゼネコンになってしまいました。

結局は楽で確実に儲かる方に流れてしまったということです。

その結果、多くの企業の競争力がなくなってしまったのでしょう。

4 エンジニアを使い捨ててきた報い

ソフトウェアエンジニアは日本では非常に地位の低い職業です。

その証拠に理系の大卒の人たちはあまりソフトウェアエンジニアになりたがりません。

待遇が悪いことを知っているからでしょう。

だから優秀な人はこの業界にはこないのです。

また、今エンジニアの人でも日夜勉強して技術スキルをあげても会社が評価しないので向上しようとするインセンティブが働きにくい状況です。

なぜならば年功序列を基本とした職務給で社員を評価しているからです。

(まー本当の評価ではないですが。)

また、ハード重視の製造業が多い日本ではソフトウェア軽視は仕方のないことなのかもしれませんが。

そんなような人の扱いをしてきたため、企業の競争力もなくなってきたのだと思います。

私の知り合いでも優秀なエンジニアが何人もこの業界から去って行きました。

その報いを今受けてるのではないでしょうか。

MicrosoftやOracleなどアメリカのソフト企業が強かったため日本でソフト企業が育たなかったという状況もあったとは思いますが、それにしてもひどすぎると思います。

結局、業界全体がリスクをとらずに安易なビジネスに安住していたことがこういう結果を招いたのではないでしょうか?

では、どうすれば日本のIT業界は復活するでしょうか?

1 リストラして高コスト体質を改善する

日本のIT業界は高コスト体質なので、不必要と思われる費用は削って必要最小限の規模でビジネスする必要があります。

例えば、営業マンをいっぱい抱えるのではなく今時はネットを使ったマーケティングなどにシフトしていけば営業コストも結構下げられるでしょう。

まずは自分の身を軽くして素早く動ける体質に変えていかないと何もはじまりません。

2 新しい製品やサービスの開発を行って差別化する

固定費は削る必要がありますが、新しい製品やサービスの開発には投資する必要があります。

もちろんリスクはありますが、もともと株式会社というのはリスクを取るための組織です。

IT業界が復活するにはそれくらいのリスクを取らないとジリ貧になっていくでしょう。

3 エンジニアの待遇を改善して優秀な人材を集める

新しい製品やサービスの開発には優秀なエンジニアが必要です。

優秀な人材を獲得するためにはそれなりの待遇を用意しないと来てはくれないでしょう。

ある年齢になったら管理職にならなければいけないなんていうばかな人事はやめて、優秀なエンジニアがいつまでも働いてもらえるような会社にしなければいけません。

それに加えて職能給をベースとした給与体系にして、努力すれば給料があがるようにする必要があります。

そうすればエンジニアはスキルアップの努力を惜しまなくなるでしょう。

4 最初から世界のマーケットをターゲットにする

ITは国境は簡単に越えてしまう性質の商材です。

したがって、国内に閉じこもっていてもいつか黒船来襲のような状況になって国内の業界は駆逐されてしまいます。

そうであれば最初から世界のマーケットをめざしてこちらからせめていく勢いでビジネスを行うほうがいいでしょう。

私はこの記事の表にある企業と一緒に仕事したことがありますが、彼らは過去にいい思いをしているので自分たちを変えるのは至難の技だと思います。

そんな焼け太りした既存の企業よりこれから新しくビジネスする企業の方が有望でしょう。

どちらにしても私は日本のIT業界に対しては悲観的ですが、長年自分が働いてきた業界なのでなんとかがんばってほしいなと思います。

自分も何かできることがあればやっていきたいなと思っています。

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