はやぶさ、そうまでして君は。

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はやぶさ、そうまでして君は~生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話 はやぶさ、そうまでして君は~生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話
川口 淳一郎

宝島社 2010-12-10
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出版されて半年以上もたってますが、いまさらながら読みました。

去年の6月くらいに報道等で知っていましたが、正直あまり印象にはありませんでした。

しかし、この本を読んでこれは科学的なことだけではなくプロジェクトマネージメントや人間の生き方にも教訓となるエピソードではないかと感じました。

ご存知のとおり、はやぶさとは小惑星帯を探査するために開発された人工衛星です。

しかし、いままでの惑星探査とは違う世界初の以下の課題を7つもクリアしなければいけませんでした。

  • イオンエンジン稼働
  • イオンエンジン1000時間稼働
  • 地球スィングバイ
  • 自立誘導航法による小惑星とのランデブー
  • 小惑星の科学観測
  • 小惑星からのサンプル入手
  • カプセルの地球帰還、大気圏再突入後回収、小惑星サンプル入手

技術的な詳細は本を読んでいただくとして、これらは世界の誰もやっていないことなので試行錯誤もしくはぶっつけ本番でやってみないとわからないものばかりでした。

そして、案の定トラブル続出したのですが、メンバーの知恵と根性と幸運によってミッションを完了することができました。

私がこの話で感動したのは科学的な偉業ではなく、それを実現させようとする人たちの思いがとても人間っぽくてこれから自分が生きていく上でも学ぶべきことがあると感じたからです。

この本で私が学んだことは以下のことでした。

1 加点法による評価

日本は学校でも企業でも減点法で評価されます。

学校ではテストで間違うと減点され、会社では失敗すると左遷されます。

私が働くIT業界でもできて当たり前で、難しい状況をがんばって解決しても評価されたことはありませんでした。

これでは新しいことに挑戦しようとする人はいなくなってしまいます。

はやぶさプロジェクトでは世界初が7つもあるので全部できなくても評価するという形になりました。

私のまわりではこんな話は聞いたことがないので、このことがはやぶさプロジェクトを成功させた最大の原因ではないかと思います。

2 限られたリソースの中で果敢にチャレンジしてイノベーティブな成果を出す

日本に比べてアメリカのNASAは10倍以上の宇宙関連予算があります。

そのため、日本の宇宙開発が進まなかったと誰もが思っていました。

しかし、本当はそうではなく人々がチャレンジしなくなってしまったから止まってしまったことが一番の原因でした。

その証拠にアメリカは莫大な予算があるにもかかわらず、スペースシャトルの失敗など昔のような成果は出せなくなってしまいました。

それは、NASAがすでに実績のある技術やプロジェクトを優先したために新たなイノベーションが起こらなくなってしまったからです。

一方、はやぶさプロジェクトは少ない予算の中で工夫しながら世界初の小惑星探査を実現しました。

お金がなくてもできることはたくさんあります。

頭からお金がないからできないと決め付けるのではなく、できるようにするにはどうすればいいか考えることが重要です。

3 わくわくする仕事が優秀な人たちを集める

プロジェクトリーダーの川口さんによるとはやぶさプロジェクトでマネージメントで苦労したことはなかったといいます。

仕事自体が面白いからやる気のある優秀な人たちが集まって、いろんなアイデアを出したり自主的に作業を進めてくれたそうです。

そして、PMの仕事としてはその出てきたアイデアをまとめて方向づけしさえすればよかったのです。

私もいろんなプロジェクトにかかわりましたが、MSプロジェクトみたいなもので各メンバーのタスクを管理して遅れていればせかせるような状況でした。

そのようなプロジェクトではすばらしい成果は出せないのでしょうね。

4 リーダーの資質で必要なのは孤独に耐えられること

はやぶさが1ヶ月ほど行方不明になったとき、管制室は人も閑散とした状況でした。

人は調子のいいときは集まってきますが、苦しい時には離れていくものです。

そんななかでも孤独な状況に耐えて自分を信じて努力していくことはリーダーとして必要な資質だと思います。

また、ものを決断するときもリーダーが孤独感を感じる瞬間です。

まわりの意見を聞いても最後は自分の責任の上で決断することができないとリーダーとしてはやっていけないのでしょうね。

5 自分で意義があると思える仕事ができることは人生最高の幸せ

川口さんははやぶさが地球に帰ってきて大気圏に突入して燃え尽きるのをなんとか回避できないかと考えたそうです。

7年も惑星探査のミッションを行ってきて、はやぶさにかなりの思い入れが出てきたのでしょうね。

それだけ思えるのもこのプロジェクトが人類にとって意義があると信じていたからだと思います。

そんな仕事に関われるのは人としての一番の幸せなのかもしれません。

翻って自分のまわりを見ると、お金や権力を得るのによくよくとしている人たちが多くて、この人たちは人生充実しているのだろうかと思ってしまいます。

はやぶさほど大きなことでなくても意義のある仕事や生き方はできると思います。

そんなことを見つけて生きていけたらいいなと思いますね。

はやぶさプロジェクトでは世界初の挑戦だったので新しい技術が色々開発されました。

そんな技術的な詳細はこちらの本に詳しく書かれています。

小惑星探査機「はやぶさ」の超技術 (ブルーバックス) 小惑星探査機「はやぶさ」の超技術 (ブルーバックス)
川口 淳一郎

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