まつもとゆきひろ コードの世界

まつもとゆきひろ コードの世界~スーパー・プログラマになる14の思考法 まつもとゆきひろ コードの世界~スーパー・プログラマになる14の思考法
日経Linux

日経BP出版センター 2009-05-21
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私は最近はソフトウェアを作る機会が少なくなったのですが、ちょっとしたツールを作るときはRubyを使っています。

C,Perl,Java,VBといままでいろんな開発言語を使ってきましたが、タイピングが少なくてわかりやすくかけるという点では私にとってはRubyが一番使いやすい開発言語です。

この本はRubyを開発したまつもとゆきひろ氏のプログラミングについてのエッセイ集です。

なのである程度プログラミング経験のある人向けの本だと思います。

内容はやはりRubyに関することが多いのですが、デザインパターンや文字コード、関数プログラミングなど最新の技術テーマが多く取り上げられています。

この中でプログラマーなら誰しも悩ましく思っているのが文字コードのことです。

いまやUTF-8が世界標準の文字コードとなりつつありますが、以前は日本の主な文字コードはJIS,Shift-JIS,EUCと3つありました。(いまもまだ結構使われていますが。)

日本語は1万以上の漢字という文字のため2バイトで文字を表現する必要がありました。

しかし、3つもコードができてしまってプログラマーにとってはなぜ一つに統一できなかったのかとずっと思っていました。

特にShift-JISはやっかいなコードで文字コード判定が難しいコードでした。

Shift-JISで0x5Cを含む文字はそれ以降化けてしまうのでバックスラッシュをいれてエスケープするなんてことも結構やってました。

UTF-8はアメリカが主として制定した文字コードなので出た当初は日本では批判的でしたが、文字コードが一つに統一されたことは開発現場にとってはかなり負担が減ったと思います。

日本は標準化というのが苦手な国なのでしょうね。

この本は内容としては著者の興味あることを思いつくままに書かれているので何かの技術を得ようと思って読むものではないと思いますが、やる気のあるプログラマーにとっては刺激になる内容だと思います。

私が一番印象的だった部分は一番最後の「なぜオープンソースなのか」というところでした。

GNUのフリーソフトウェア運動からオープンソースという考え方が出てきた経緯が説明されていて、その中で著者がどのような活動をしてきたのか、何を考えながらオープンソースソフトウェアを作ってきたのかが語られています。

ビルゲイツがMicroSoftを創業したころ、無断でソフトをコピーするホビイストに対して意見書を出したことがありました。

その中で無償でソフトウェアを作る人間などいないと書かれていましたが、オープンソースはその考え方とは反する現象でした。

そして、確かにビルゲイツのような大金持ちはオープンソース開発をやっているプログラマーからは生まれませんでしたが、オープンソースでお金を稼いでいる人たちはいまやたくさん存在します。

著者もその一人でオープンソース(Ruby)に労働の100%の時間を費やすことができているそうです。

翻って自分のことを考えるとやりたくもない仕事をお金のために我慢してやっているというのが現実です。

なぜ日本のIT業界はこんなにつまらないのかいつも思うのですが、国自体が加工貿易に最適化されているため、製造業以外の産業が育ちにくかったのだと思います。

そのため、日本のIT業界にはエンジニアがやりたいと思うような仕事が少なく、付加価値の少ない仕事ばかりになってしまったのでしょう。

しかし、個人それぞれが自分のやりたいことをはじめればそれがいつかビジネスに結びつくのだと思います。

著者は個人的興味ではじめたRubyが世界中のこれだけ多くの人に使われるようになるなんてはじめた時は想像もしなかったでしょう。

自分も著者に見習って自分のやりたいことを少しづつやっていこうと思いました。

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