オープンソースと情報システム部

オープンソースのシステムがエンタープライズ向けに導入されはじめてから8年くらいたちます。

ちょうど2000年のころIBMやOracleがLinuxをサポートする決定をしてから急速に企業に入っていったと思いますが、8年たってそこまで普及したとは言いがたいのではないでしょうか。

少なくとも私のまわりではベンダーが製造、提供している製品を使っているシステムが多いように感じます。

私が以前経験した社内システムの開発プロジェクトは予算も限られているということでオープンソースを中心に使っていこうというものでした。

プロジェクトマネージャーが今までベンダー製品で苦労した経験があるためオープンソース的なものにとても好意的な方でした。

しかし、オープンソースはベンダーのようなサポートが受けられないのでトラブルも自分たちで解決しなければいけないということも理解してプロジェクトがはじまりました。

もともと社内システムの開発だったのでスケジュールがそこまで厳しくなかったのもオープンソースでやってみようということになった理由かもしれません。

しかし、あるときそのプロマネの方が病気になってしまい仕事を続けることができなくなってしまいました。

仕方がないので別のマネージャーが後を引き継いだのですが、この人がかなり自己防衛的でした。

オープンソースはサポートがないからということで次々と高価なベンダー製品に切り替えていきました。

そうはいっても予算は限られているのでオープンソースのままで行かざるを得ないものもあったのですが、その場合はかならずベンダーサポートを有償でつけていきました。

まだ設計フェーズで実装までやっていなかったため切り替えることは可能だったのも切り替えることができた理由だと思います。

そのプロマネがそのような自己防衛的な行動に出たのは自分がオープンソースで構築したことがないからでした。

もし何かあったときに自分に責任がふりかからないようにとこのような行動に出たのでしょう。

ただこのような自己防衛的な対応をするとプロジェクトチームに大きな影響を与えます。

上がこういう行動をしているとメンバーは自分たちが信頼されていないのではないかと思うようになります。

結果的にメンバーのモチベーションがかなり下がったのは当然の結果でした。

このような話はどこの企業の情報システム部でもあることだと思います。

いまや情シスは外部のベンダーをコントロールするだけの部署となっていつのまにか技術力や構築能力がなくなってしまいました。

もちろんシステムを障害なく運用することは重要ですが、あまりにもリスクを回避するために自分たちの能力を退化させているのは問題ではないでしょうか?

こういうタイプのプロマネがいる限りは自己責任を伴うオープンソースの導入は広まらないのかなと思いました。

私が昔、開発をやっていたころは頼めるようなベンダーが少なかったのでシステム障害に関しては自分たちで解決しなければいけませんでした。

まだオープンソースという呼び名がないころからオープンソースも使っていましたが、障害は自分たちで対応してインターネットで解決策を探し、必要があればソースコードを見て対応していました。

昔と今とでは状況が違うかもしれませんが、いざとなったら自分たちでなんとかするという姿勢は重要だと思います。

オープンソースだったらそれができるし、ベンダー製品のサポート切れを心配しなくても長く使えると思います。

もちろんクリティカルなシステムなどベンダー製品でないといけないものもあると思います。

しかし、ベンダー製品にしても代理店くらいの知識を持って自分たちで運用するという気概を持つべきではないでしょうか。

自分の経験から思うのですが、システムは人が作るということだと思います。

当たり前のことなのですが、作る人がどういう姿勢で作るかによってシステム構成も全然変わってしまいます。

自己防衛的な人が作るシステムは外部のベンダーが責任を取ってくれる枯れた製品で構成するでしょうし、チャレンジングな人はオープンソースでも新しい技術をいち早く試して実際の運用に使ってみるでしょう。

多くの企業でいまだにメインフレーム系のシステムが多く残っているのも自己防衛的な人たちのせいかもしれません。

もちろんメインフレーム向きの業務もあるでしょうが、本当にメインフレームでないといけないのか検討しているとは思えません。

前にフェデラルエクスプレスのCIOのインタビューを読んだ事があるのですが、彼はこんなことをいっていました。

「ベンダーにはハードウェアやソフトウェアなど部品としての製品に責任をもってくれればいい。システム設計や開発は自社でやっている」

フェデックスはITシステムが企業の競争力の源であることを理解しているのだと思います。

世界に先駆けて荷物のトラッキングシステムを作ったりできるのも自社にシステム開発能力があるからできるのだと思います。

いまやITシステムなくしては企業活動を行うことはできません。

そんな重要なものを他者に依存しなければいけないという状況に企業ももっと危機感を持つべきだと思います。

そうしないと構築したシステムをまた一から作り直さなければいけないという目にあうかもしれません。

鍵は自己防衛的にならずに自分たちでやっていこうと思う人にいかに企業に入ってもらえるかではないでしょうか?

1件のコメント

  1. yasushi

    常に適材適所かな、と思います。以前お仕事をさせて頂いた際の情シスは部署ローカルではオープンソースの方が支持が高かったです。使ってるファイル形式にせよ、後からどうとでも加工が出来る=疎結合という所が。とはいえMSを使ったほうが場合によってはいいわけで、(既に入っている物との整合性、とも言えますが)後はオープンソースを扱える人材、攻めの運用が出来るマインドを持ってる人がいるかどうかでしょうか。

    #よく修正版がリリースされる度に試してみる、アップデートしてみる、な立場だったんですが周りからは動いてるから嫌、っていう声が多かったです

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