グーグル的思考 – Googleならどうする

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グーグル的思考 グーグル的思考
早野 依子

PHP研究所 2009-05-16
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近くのツタヤでふと立ち読みした本だったのですが、すごく面白くて衝動買いしてしまいました。

この本は私が今年読んだ本のベスト3に入る本です。

グーグルに関する本はいままでいっぱい出版されていて少々おなかいっぱいな感じですが、この本は少し趣きがちがう本です。

それはグーグルというよりもウェブやソーシャルネットワークによってこれから世の中がどう変わるかを考察しています。

この本の最初のエピソードは、あまりにも品質のひどいDellのパソコンについて著者がブログで書いたときに起きた話です。

著者は不満のはけ口としてブログにそのことを書いたのですが、そうすると同じ目にあった何百人という人たちからのコメントが集まったそうです。

Dellはその後反省をして消費者からの声を受け付ける自社のブログを立ち上げるだけなく、自分のブログでDellに不満を書いている人たちに自分からコンタクトしにいきました。

その結果、Dellは顧客から満足される企業になっていったそうです。

著者はグーグル的思考で成功するためにはユーザーに主導権を渡すべきだと主張しています。

その中でも一番有名なのはWikipediaでしょう。

ご存知の通り、このサイトのコンテンツは誰が書いてもOKです。

もし誰かがまちがったことを書いていたら他の誰かが修正してくれます。

そのやり方でブリタニカ百科事典と同じくらいの間違い率の少なさを誇っています。

これが企業だったら自分のコンテンツをユーザーに変更させるなんてことは考えもしないでしょう。

しかし、ネットの世界ではそれで成功しているケースが多くあります。

アメリカで最も成功しているSNSサイトにFacebookがあります。

元々はハーバード大学の学生のためのSNSサイトだったのですが一般に公開されてブレイクしました。

Facebookをはじめたザッカーバーグは当時大学生でサイト立ち上げでいそがしく危うく落第しそうになったそうです。

そこで彼はFacebookで助けを求めました。

すると多くの学生が彼の試験勉強を助けてくれたそうです。

これは新しい教育の形を示唆しているのかもしれません。

私もBlogやMixiでいろんな方とお知り合いになりましたが、インターネットがなければ一生会うことがなかった人たちです。

そういう人たちと知り合いになれたというのを考えるとソーシャルネットワーキングというのはすごい発明だったのだなと思います。

本の後半はグーグルがもし他の業種の仕事をしたらどうなるかという面白い思考実験が続きます。

その中で一番おもしろかったのが教育です。

いまやネットでいろんな大学の講義を受けることができるようになりました。

なので科目によっていろんな大学の授業を受けられてもいいのではないかというのがグーグル的発想です。

経営学はハーバード、コンピューターサイエンスはスタンフォード、物理学はオックスフォードみたいな感じで世界最高の教育を受けられれば夢のようです。

そして、ソーシャルネットワーキングを使っていろんな人たちと交流しながら学べば学位をとるよりも大切なものを得られると著者は主張します。

考えてみれば学ぶという行為は大学にいるときだけではなく一生続くものです。

特に変化の激しい現代では学んだ知識というのはすぐ陳腐化してしまいます。

もちろん医師や弁護士など能力を証明する必要のある職業はありますが、入学時点でテストをする必要はないし、大学でなければ教育できないというものでもないでしょう。

その他にも銀行や自動車メーカー、金融などグーグルだったらどうするか色々例示されています。

いまやグーグルを含めインターネットで展開されるウェブやソーシャルネットワーキングは既存の権威を破壊し新たな世界を作り出そうとしています。

例えばYouTubeなどの動画サイトはテレビ業界を変えようとしていますし、Twitterなどのマイクロブログは広告の新しいあり方を提案しています。

もちろん著作権などいろんな問題もありますが、少なくとも何かが変わろうとしているのはまちがいないように思います。

まだ、こういうことがあるから自分はITの世界にいるのかなと思わせるようないい本でした。

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