サブプライム問題とはなにか

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春山 昇華

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今、経済関連のニュースで一番ホットなのはアメリカのサブプライム問題でしょう。

しかし、私は何がそんなに大変なのかいまいちよくわかっていませんでしたが、これを読んでよく理解することができました。

自分が理解したポイントとしてはこんな感じです。

1 基本的には日本の不動産バブルと同じだが証券化という金融技術が組み合わさって被害が世界中に広がってしまった。

 証券化とは銀行が住宅ローンの債権などを証券会社に売却し、証券会社がそれらをまとめて債権商品として小口にして売るというしくみです。

そのため様々な金融商品にサブプライムの債権も含まれてしまって世界中に被害が広がりました。

人間の体に例えるとがん細胞が転移で全身に散らばって手のほどこしようがないという感じですね。

2 証券化という技術が貸し手のモラルを低下させてしまった

 銀行は証券化によって自社の住宅ローンを証券会社に売ってしまうため、サブプライムなどのリスクの高い貸し付けもちゃんと査定しないで貸し出していたようです。

後は知ったこっちゃないって感じなのでしょうね。

3 最後は政府が助けてくれるという甘い考えが業界にあった

 実際にアメリカのFRBの偉い人が、「これは貸し手責任だ」と発言したらパニックになったそうです。

みんな最後は政府がなんとかしてくれると思ったのでしょうね。

結局はヨーロッパやアメリカの政府は事の重大さに気づいて大規模な資本注入を金融機関に行いました。

4 不動産(土地、住宅)の高騰によって住宅転がしが増えてしまった

 最初は夢のマイホームを買うための住宅ローンだったのが、不動産の価値があがるとともに投資目的の貸し付けが増えて行きました。

日本の場合は土地に対するバブルでしたが、アメリカはどちらかというと建物のほうがバブルだったようです。

銀行としては担保評価が十分なので貸したのでしょうね。

しかし、日本のバブルの教訓が生かされないのはやはり欲に目がくらむと理性が飛んでしまうからなんでしょうね。

5 格付け機関の責任に対する自覚のなさ

 有名なアメリカの格付け機関はサブプライムローンを多く扱う金融機関の格付けをトリプルAで評価していました。

それは破綻する直前まで変えませんでした。

これを信用した人たちが多かったのも被害を広げた一因です。

その後、格付け機関の偉い人は「我々は公開された方法で評価しているし、これは指標でしかない。」といいました。

自らの責任を放棄するような言い方ですね。

またアメリカの銀行は営業部隊を持たないでブローカーという外部の営業マンが実際に商品を売るそうです。

このブローカーも被害を広めた片棒をかついでいました。

実際には優良(プライム)顧客なのにサブプライムローンを売ったりしていたそうです。

銀行も外部の人間がしたこととして知らんぷりを決め込んでいるようです。

この人たちには良心というものがないのかと思ってしまいます。

これを読んでいて金融業界というのはモラルがなさすぎると思いました。

自分の体験からも思いますが、結局金融の人たちはお金しか興味がないのかなと思います。

自分の仕事が社会にどのような影響を及ぼしているかとか、自分たちは顧客にどういう役に立っているかなんて考える人は少ないのでしょうね。

著者はこれからの世界の景気後退を心配していました。

おそらく日本のバブル崩壊後のようにしばらく不況になるかもしれません。

しかし、必ずいつかは回復するでしょう。

結局、人が価値を創造しないと経済は回りません。

家や土地が売れるのも買う人が社会に対して提供した価値の対価としてお金を得るから買えるのですからね。

そう言う意味ではみんなが起業家的な考え方で仕事をする事がこれから大事じゃないかなと思います。

それと自分の返済能力を越えた借金はしないことも大事だと思います。

日本ではまだ持ち家指向が強くて、賃貸よりも買った方がトータルで安いと言われたりもします。

確かにそうかもしれませんが、大きな借金をするというリスクを負うことになります。

自分の資産状態やライフプランを考えて家を買う事が合理的かをよく考えるべきでしょうね。

今の時代、終身雇用もなくなり先が見えなくなってしまっているので大きな借金は大きなリスクであることには間違いはないと思います。

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