スティーブ・ジョブズの流儀

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スティーブ・ジョブズの流儀 スティーブ・ジョブズの流儀
三木 俊哉

ランダムハウス講談社 2008-10-23
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ウォズニアックの本に続いてジョブズの本を読んでみました。

スティーブジョブズといえばやはりMacintoshでしょう。

私がプログラマーなりたてのころ、端末としてMac SE30を使っていました。

9inch画面でとても小さかったのですが、とても使いやすいコンピューターでした。

ジョブズは完璧主義者でMacに対しても高いクォリティを求めました。

ほとんどの顧客が見ることもないマザーボードのレイアウトにまでこだわりました。

いっしょに仕事をしているエンジニアはたまったものではないでしょうね。

しかし、そのこだわりがMacをすばらしい製品にしました。

ジョブズは業界ではあまり評判がよくなくて、高圧的な態度や不誠実な行いなどのイメージがあります。

ではそんな人になぜ優秀な人たちが集まって彼の指示のもとに仕事をしているのでしょうか?

以前黒沢 明監督と一緒に仕事をした俳優が言っていましたが、すばらしい仕事をする人に対しては監督はとてもやさしい人だったそうです。

しかし、能力のない人には容赦なく叱責したそうです。

ジョブズもそういうタイプの人なのではないでしょうか。

私もその気持ちはわかるような気がします。

口ばかりで成果の出せない人と仕事をするのはがまんならないですからね。

ただ、ジョブズは求めるリクワイアメントがかなり高いのでしょうね。

そうはいってもジョブズも失敗しています。

彼の失敗といえばNeXTコンピューターでしょう。

技術的には10年先をいっていたすばらしい製品でしたが、商業的には失敗でした。

しかし、そこで開発されたOS NextStepは今やMac OS Xとして多くのMacユーザーに使われています。

また少し前はお荷物だったハードウェア部門もiPodやiPhoneなどの製品開発に多大な貢献をしました。

Appleの歴史を見ているとある時期に失敗と思われていたものが状況がかわると成功することがあるのだなと思います。

いままでIT業界は水平分業構造になることにより発展してきました。

ハードはHPやIBM,OSやソフトはマイクロソフトやアドビ,家電はSonyやPanasonicといった感じでそれぞれが得意分野の製品に集中することがよしとされてきました。

しかし、Appleはその全てを自分たちでやってきた垂直統合型企業です。

水平分業型企業はイノベーションの変化に対応しやすいのですが、コモディティ化の速度も速いため付加価値あるビジネスがしづらいという欠点があります。

その点、AppleのようにiPodというハードにiTuneというソフトウェアを組み合わせて音楽配信サービスもつけるという垂直統合ならではの差別化ができます。

Appleのような企業が伸びてきたというのはIT産業も成熟期に入ったということなのかもしれません。

この本を読んでいて思ったのは一生懸命やっていれば無駄なことなどないんだなということでした。

MacはPCとしてはWindowsに破れましたが、デジタルハブという構想のもと様々なデジタル機器をつなぐ個人向けPCとしてのマーケットを確立しました。

また、消えるかと思われていたNextStepがMac OSとして復活したのも必然の出来事だったのかもしれません。

ビジネススクールを出たエリートの人はAppleのような会社はいずれつぶれると思ったでしょう。

確かにAppleは一時期倒産寸前までいきました。

そのときにジョブズがAppleに帰ってくるのですが、彼もあまりAppleの経営をやりたいとは思っていなかったようです。

当時Appleの財政状態は末期的で数ヶ月持つかどうかという状況でした。

しかし、彼はAppleにはまだロイヤリティの高いユーザーが多くいることを発見します。

あれだけひどい製品を出していたのに彼らはなぜまだMacintoshを愛しているのか考えたところ、Appleがブランドになっていることを理解します。

そして、まずこの顧客たちを満足させることこそAppleを復活させる唯一の方法だとジョブズは悟ります。

かつてのAppleの経営者はそこが見えてなかったのでしょうね。

Appleという会社は普通の会社とはかなり違います。

それはデジタル革命によって人々のライフスタイルを変えるというミッションを持っているからではないでしょうか。

それはジョブズとウォズニアックが会社を始めた頃から持っていた哲学でした。

そういう人の思いが会社や製品を作って行くのだと思います。

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