ライフログのすすめ

ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! (ハヤカワ新書juice) ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! (ハヤカワ新書juice)
Gordon Bell

早川書房 2010-01-25
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ライフログとは日々身の回りに発生するいろんな情報をデジタルデータとして保存することです。

いまやハードディスクは個人でもテラバイト級のものが買えるようになり、クラウドサービスによって安価にネット上にデータを保存することができるようになりました。

例えばGメールは7GBのメールデータを貯めることができ,なおかつ無料です。

私は100GBのiPodを持っていますが、いまだ10%も容量を使っていません。

著者はすでに自分の人生の記録をまるごとデジタルデータで保存できる時代になったと言っています。

著者のゴードンベルは元DECのエンジニアでいまはマイクロソフトで研究を行っています。

彼のMyLifeBitsというプロジェクトは個人の人生の記録を全てデジタルデータに残すことを目的にしています。

そしてライフログ用のガジェットをいつも首からさげて写真や音声を常に記録しています。

また、彼は心臓病の持病があるため今までの医療記録を全てデジタルデータに残していて病院を変わっても大丈夫なようにしているそうです。

もし、自分の情報を全てデジタルデータ化して検索などでいつでも取り出せるようにすると私たちの生活はどうかわるのでしょうか?

まず、紙がなくなります。

文明が発生して情報を記録するのにいままで長い間、紙を使っていました。

しかし、紙のだめなところは情報検索がしにくいところです。

なのでいままで図書館などで行われているような情報整理の方法が発展したのでしょう。

ただ、これから多くの人がライフログをとるようになるともはや紙では管理不可能でしょう。

次に今まで失われていた情報を記録して利用することができます。

書籍や映像などでいままで残されている情報はほんのごくわずかです。

それに伝説やあやまった解釈などによってオリジナルの情報が失われていることも結構あります。

それをデジタル情報で残せれば、過去の人たちがどんな思いだったのかまでわかるようになるかもしれません。

歴史を見ても権力者が変わる度に以前の歴史的事実が必ず歪められた形で伝えられています。

例えば、明治維新でも江戸幕府は旧態依然としていて滅びて当たり前だったと歴史では語られることが多いですが、江戸幕府側の人々で危機感を持って日本を変えなければいけないと思っていた人は結構いました。

これからはライフログによってそんな歴史をいろんな側面から見れるようにもなるかもしれません。

著者がライフログによって目指している最終目的は魂の不死なのかもしれません。

著者はライフログによって将来自分の子孫が先祖と会話できるようになるかもしれないと書いています。

それを可能にするのがアバターです。

アバターは仮想のキャラクターでライフログデータへアクセスするためのインターフェースです。

もし自分が死んでその子供が親に何かを相談するときはアバターを通じて親のライフログデータにアクセスします。

例えば、自分の子供の育て方を親ならどうしていただろうなんて思ったときにアバターを通じて親の体験を知ることができます。

これはまさに世代を越えた情報の継承です。

これによって人の魂は死を超越して生きつづけることになります。

しかし、今現在一番の問題はデータ入力です。

膨大な紙のデータをスキャンする技術がまだ未成熟です。

最近はスキャナーも安くなってOCRやPDFなどの技術によってデータ化もやりやすくなっています。

しかし、大量の紙をデジタルデータにするにはまだまだ手間がかかってしまいます。

ただ、このあたりもいろんなサービスが出てくることによって可能になっていくでしょう。

私は長年ITの仕事をしていてITとはなんだろうと最近よく考えていました。

そして、この本を読んでITとは結局情報を保存して利用する技術にすぎないということを改めて思いました。

Googleはウェブ上にあるデータを検索できるようにしました。

しかし、ウェブ上にある情報は人間が作り出す情報のごく一部でしかありません。

ライフログが可能になることによっていままでは失われていた多くの人間の叡智をこれからは残していけるようになるのではないかと思います。

私も家にある紙の山を少しづつスキャンしていきたいなと思います。

ゴードンベル MyLifeBits Project

http://research.microsoft.com/en-us/projects/mylifebits/

ライフログガジェット VconRevue

http://japanese.engadget.com/2009/10/20/viconrevue/

2件のコメント

  1. snowbees

    <電子書籍 デジタル化 文字化け取り>
    1)英文のアーカイブでは、アマゾンの場合、フィリピンなどの低賃金国で、手作業で処理。
    2)日本語のアーカイブは、新書版サイズで8時間X3日=数万円かかると。
    ある雑誌の記事ですが、現状は?

  2. snowbees

    <電子書籍について>

    1)「本好き」なので、電子書籍の普及について関心が強い。出版業者の取組みについて、検索すると:

    http://www.pot.co.jp/danwashitsu/20091201_115048493915566.html

    2)ところで、作家の桐野夏生・女史によれば、電子データの所有権について、著者、出版社、印刷所の三者が関与するので、ルールを討議中だが、未だ成案はないと。上記三者による「組織」を作り、国会図書館への見本寄贈なども経由させるべきと。

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