リスク認識能力

 ある人と話していてふと気づいたことがありました。

その人は極端にリスクをとることを嫌う人で自分でも保守的だと言います。

なので仕事ができて技術もあるのに転職してステップアップしようとはしません。

転職によるリスクを取りたくないってことですね。

しかし、マイホームを借金して買うことには抵抗がないと言います。

私からすると35年ローンを組むことの方がリスクが高いと思うのですが、認識の違いによってリスクもリスクとして感じないということなのでしょう。

 最近私は不動産に詳しくなったので(何回も言ってますね(^^;)不動産の利益構造がわかるようになりました。

マンションや家を買う場合、通常 不動産販売会社やハウスメーカーから買うことになりますが、彼らの主な仕事は営業マーケティングで実際に建築するのは下請けの工務店などが行います。

しかし大手ハウスメーカーは売値の30%もの利益を取ります。

そして実際に作っている工務店は残りを取るという形になります。

さらに銀行からお金を借りると現在年利3%以上の金利がつきます。

これは国債より高い利率になっています。

3%だと35年たつと単純に元本の倍の金額になります。

ただし、順調に返していければそこまでにはなりません。

しかし、返せない状況になると借金がゆきだるま式に増えていくもしくは破産するリスクを抱えることになります。

 結局建築会社と銀行を儲けさせるために個人がリスクを負うという形になっています。

そのことを理解してそれでも住環境にこだわりたいのであればいいと思うのですが、ほとんどの人は理解しないで巨額の借金を抱えてしまっています。

 日本人はある程度の年になるとマイホームを持たなければいけないといった考え方が一般的のようですが、そのリスクを知らされていないのは問題だと思います。

要は企業経営と考え方はいっしょだと思います。

企業はビジネスのために借り入れしたり投資を募ったりしますが、利息や配当などの資金調達コストを負担しなければいけません。

したがって企業はこの資金調達コスト以上に利益をあげなければいつか倒産してしまいます。

これを先ほどの家を買う話に当てはめると銀行から借りたお金の利息以上の利益率で借りた人が稼がなければ破産するということです。

だから銀行もどういった会社に勤めているかで貸す相手を判断します。

しかし35年も安泰の会社なんてないと思うんですけどね。

 こんなことをふと考えていると、マイホーム主義というのが日本全体を保守的にしているのではないかと思うようになりました。

もちろん他の国でも家を買うことは重要なことなのでしょうが、日本とは少し違った状況ではないでしょうか?

例えばアメリカでは古い家でも大事に使ってリフォームすると高い値段で売れたりします。

つまり資産として価値があるということですね。

一方日本では建物は買った瞬間に半分の価値になりローンを払い終わった頃には価値がなくなります。

こういった状況の差も日本とアメリカの社会の差に影響しているのかもしれません。

 やはり直感でリスクと感じるものが本当にリスクなのか論理的に考える必要があると思います。

巨額の借金はリスクですが、収入が見込めるのであればリスクをかなり少なくすることは可能でしょう。

会社経営で重要なのは収入見込みをどれだけ正確に予測するかにかかっているともいえます。

そしてほとんどの企業は外部から資金調達をして運営されています。

しかしそのようなリスクの上で自分たちが生きていると認識しているサラリーマンはどれくらいいるのでしょうか?

 今、日本の社会はアメリカ型資本主義に向かって急速に変わろうとしています。

こんなときこそ何がリスクなのかを正しく認識できる能力が生きていくために必要ではないでしょうか。

2件のコメント

  1. 35 年ローンをリスクと考えないのは、資産評価ではなく、月々の支払いをベースに思考するからでしょうね。借家に住むとしても家賃として毎月の出費があるので、「どうせ一緒じゃん!」と。

  2. holic

    それは、処分価値がローンの残存金額とつりあうなら、というなかなか実現しない状況が前提なわけですわな。

    リコースローンとノンリコースローンのリスクの差が見えていないと。

    なんらかの判断をせずに、なすがままにする、という行為にもリスクは伴うわけで、そのリスクを最小にしてしまったデフレが、この現状の主因であると思っていますけどね。

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