ロングテール 売れない商品を宝の山に変える新戦略

ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略
クリス アンダーソン Chris Anderson 篠森 ゆりこ

早川書房 2006-09
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ロングテールという言葉はもう言い尽くされた感があるのですが、改めて発案者の本をチェック。

この本は今年私が読む本の中でおそらくベスト3に入るくらい重要です。

今までの商品は大ヒットしてたくさん売れる物が中心でした。

音楽でもゴールドディスク、プラチナディスクと呼ばれる一般に一番受ける音楽が主流でした。

しかしAmazonやiTune Music Storeの出現によって今まであまり売れなかったものもだんだんと売れるようになってきました。

この本の中でも音楽の話が結構出てくるんですが、まさにニッチの固まりのような業界です。

日本ではJPOPや演歌などが主流ですが、世界で見ると様々なジャンルの音楽があります。

私の好きなJazzやBossa novaは日本ではマイナーですが、New Yorkや南米ではメジャーだったりします。

多くの販売店ではヒット商品が大半の売り上げを占めるためにマイナーな製品は売られません。

しかしAmazonのようなネット販売なら商品棚の制限がないから多くのマイナー製品を扱うことができます。

iTune Music Storeにいたっては音楽データなので在庫スペースが必要なくて在庫コストはほぼ0です。

そして、マイナー製品でも数ヶ月に1つ以上は売れているそうです。

もし膨大な数のマイナー商品を抱えることができればメジャーな商品に負けないくらいの売り上げになります。

これがロングテールと呼ばれています。

この本の中で生産消費者という言葉が出てきます。

アルビントフラーの「富の未来」という本にも出てきていましたが、お金儲け目的でなくて何かを生産する人のことで簡単にいうとボランティアですね。

Wikipediaや新しい天体発見のための観測にはこの生産消費者が重要な役割を担っていたそうです。

こういう人たちの活動もロングテールを形成するという観点はおもしろいなと思いました。

この本を読んでからCD屋さんや本屋さんに行ったんですが、そのとき思ったのは「ここで売られているのは世の中に存在する本やCDのごく一部なんだ」ということでした。

そう思うとこういう店もいつまであるのだろうとちょっとタイムマシンで過去にきたような感覚になりました。

しかしそう簡単にはなくならないとは思いますが。

本当に在庫0という状況はいろんな変化をもたらすでしょうね。

トヨタは在庫を極力減らすために様々な工夫をして成功した会社です。

しかしデジタルデータでは物理的なコストがかぎりなく0になります。

(電気代とかハードディスク容量などの制約はあるとは思いますが。)

この本の最後に書かれていましたが、そのうちハードウェアもデジタルデータに変換されてパーソナルファブリケーターがパソコンのように普及するとハードウェアさえ在庫0で売られる時代がくるかもしれません。

(この辺りの話はものづくり革命という本に詳しくでています。)

IT革命はまだまだおさまりそうにないですね。

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