議論のルール

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る
Pocket

 最近システム開発の設計で打ち合わせをすることが多いのですが、いつもなにかすっきりしないという感じがしていました。

先日も私が設計したシステムについての検討会議をこんな感じでやっていました。

私 「こんな感じで設計しましたがどうですか?」
相手「うーん、何か気に入らないっすね。」
私 「そうですか。どこがだめですかね。」
相手 「こうする必要があるのかなー。」
私 「(ちょっとむっとしながら)何かもっといい方法がありますか?」
相手「(不満顔で)これでいいっすよ。他の方法もちょっと面倒だし。」

正直「なんなんだこいつは」と思ってしまいましたが、この時議論というのはちゃんとルールが必要なのではないかと思いました。

相手は私の設計がまずいという主張をしていますが、その根拠とそれに変わる代替案を提示していません。

これでは議論する意味がありません。

そこで議論の仕方について調べようとAmazonで本を探したところ「議論のレッスン」という本がありました。

この本の中で議論とは自分と他人の意見が違うために発生するものだとされています。

確かにみんな自分と同じ意見だったら議論する必要はないですよね。

そして議論を進めるためにはルールがあると書かれています。

そのルールとは主張がまず最初にあってそれを裏づける根拠を提示する必要があるということです。

例えば最近犯罪が低年齢化しているのは暴力的なシーンを見せるメディアが原因だと主張するとします。

そうすると暴力的シーンを見ることによって犯罪を増えた証拠を提示する必要があります。

そしてその証拠は受け手みんなが納得するようなものでなければいけません。

通常の会話ではこのように主張に対して根拠を提示すれば済んでしまいますが、ビジネスでの会議ではもっと緻密に行う必要が出てきます.

主張に対して提示される根拠とは本当にあった事実です。

例えば暴力シーンをよく見る子供の犯罪率や実際に暴力をふるっていた若者を見た体験などです。

しかしその事実からなぜその主張が導き出されるのかをはっきりさせなければいけない場合があります。

A 「なぜ彼は打ち合わせにこなかったんだろう?」
B 「風邪をひいたみたいですよ。」
A 「そうか。それでは仕方ないな。」

この会話には隠れた前提があります。

風邪をひいても物理的には会議に出ることは可能です。

しかし、この会話には病気の時は休んではやくなおすべきだという隠れた共通認識があります。

これを論拠といいますが、この論拠が根拠と主張をつなぐものになります。

日常会話ではそんな当たり前のことをいちいち確認して話はしませんが、会社などでの打ち合わせではこれを確認しないとコミュニケーションができないことが結構あります。

なぜならば、企業では立場によって暗黙の前提条件が違う場合が多いからです。

私はこれを読んで今まで会社での打ち合わせが分かりにくいのはこれだったんだと思いました。

システム開発での打ち合わせでもPMや営業は無理なスケジュールで依頼してくることがあります。

しかし彼らの論拠として無理でも顧客の要求を受け入れて受注することがいいことなのだという考え方があるということです。

しかし、エンジニアはそんな無理なスケジュールではまともなテストができないとか、休日出勤したくないという気持ちがあります。

その論拠を明示しないことがコミュニケーションの断絶を引き起こしているように思います。

(論拠を明示しても、ビジネスの論理が優先されることが多いですが。)

日常会話では議論についての知識は必要ありませんが、仕事では必ず必要です。

主張は根拠によって裏付けられ論拠を明示することによって本当に理解される。

このことを知っているだけでもこれからの打ち合わせがやりやすくなりそうです。

議論のレッスン (生活人新書) 議論のレッスン (生活人新書)
福澤 一吉

日本放送出版協会 2002-04
売り上げランキング : 21157
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る
Pocket

コメントを残す