金融工学者 フィッシャーブラック

 フィッシャーブラックという人をご存知でしょうか?

有名なブラックショールズの公式というものを考えた人で、ファイナンス理論に多大な貢献をした人です。

ブラックショールズの公式というのは私もちゃんとは理解していませんが、オプション取引の価値評価を行うために利用されています。(本当か?)

オプションとはあるものをあるときにいくらで買ったり売ったりする権利のことです。

ストックオプションは株売買のオプションで、商品先物は実際の物(農産物や石油など)を扱うオプションです。

ブラックショールズの公式はオプション取引がバクチのようなものだったのをちゃんとしたビジネスに変えたところが画期的でした。

 ブラックは元々はエンジニアで大学では人工知能やインターネットの研究に関わっていました。

しかしジャックトレイナーという職場の先輩からCAPMを伝授されて金融工学に転向しました。

経済や会計について専門的な教育を受けたことがない人が経済の世界で革命を起こすとは意外ですよね。

しかし古い考え方に染まっていなかったからこそ革新的な業績をあげられたのかもしれません。

そういう意味ではアインシュタインにちょっと似ている感じがします。

 彼にはCAPMを基本とした経済全体のイメージがありました。

彼はCAPMを基本とすると経済は均衡すると考えました。

例えばCAPMを基本とする理想的な経済のもとではデイトレーダーは儲けられません。

完全に均衡しているために売って買うさや取りはできないためです。

しかし実際の市場にはノイズがあります。

割高や割安な株はいつも存在しています。

ブラックはこの市場を出し抜くためのアイデアも考えています。

しかし長期的に見ると株の価格は実際の価値に落ちつくということになります。

 また彼は政府が市場に介入すべきではないと考えていました。

市場には均衡する性質があるため自由に売買させたほうがよいと考えていたからです。

政府が介入することによって市場にノイズが生まれてトレーダーに儲けるチャンスを作るだけという考え方ですね。

 内容的には数式も少ないし読みやすいと思いますが、全くファイナンスの知識がないとちょっとつらいかもしれません。

 彼は10年前にがんで50代の若さで死んでしまいました。

生きていたらもっと新しいことを考えだしてくれたかもしれません。

彼が行ったことは中世のヨーロッパでルネサンスが起こって、科学が宗教に取って代わったくらいのインパクトがあったと思います。

彼はまた過度に数式に偏ることもありませんでした。

実際の市場や経済で試してみて理論を改善していきました。

だから大学をやめてゴールドマンサックスに行ったのでしょうね。

そういうところもステータスにこだわらない自由な姿勢を感じます。

ブラックによって古い経済学から新しいファイナンス理論への道が開かれました。

私たちは彼の偉業を引き継いでいかなければいけないですよね。

 

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