電波利権

 日本のテレビ局はほとんど新聞社の系列です。

NHKは新聞系列ではありませんが、いろんな不祥事を起こして問題になっていますね。

この本ではTV局が既得権益を守るために技術革新を阻害する存在として批判しています。

著者はNHKで働いていた人だから業界の不条理を一番感じていたのでしょうね。

 電波は有限な資源であるためどのように周波数を割り当てるかが問題になります。

需要のある用途に周波数を多く割り当てるのが自然だと思いますが、実際にはそうなっていなくて政治力がものをいう世界のようです。

例えばいまや携帯電話は一番電波需要のある分野ですが、使用率の低い業務無線のほうが多く周波数帯を取っているそうです。

単純に数だけで判断するのもどうかと思いますが、使っていないのであればもっと集約できないかなどの柔軟な対応ができていいと思うんですが、既得権益化しているために割り当て変更はかなり難しい状況のようです。

最近TV放送会社が買収をかけられることが多いですが、買収する側はこの既得権益がほしいのでしょうね。

その上多くのコンテンツを持っていて競争にもさらされていないから買うほうとしてはおいしい会社なのでしょう。

 しかしいつまでも既得権益にしがみついていると陳腐化してしまう恐れがあります。

インターネットのブロードバンド化で映像配信も可能になってきました。

例えばYouTubeやGyaoは映像配信を主に行っているサイトですが、いまや多くのユーザーを集めています。

 この変化のキモは系列から分散だと思います。

いままでTV放送は電波送出からコンテンツ作成まで莫大な投資をして製作していました。

しかしインターネット配信が可能になった時点で水平分業化されて巨大資本が必要なくなってしまいました。

コンテンツ作成もいまやPCで音楽や映画が作れるようになったのもいよいよ分業化の方向に進むでしょう。

もちろん今まで蓄積されたノウハウやコンテンツ量ではTV局には勝てませんが、長い目で見るとTV局のような大きな組織は必要なくなる方向でしょうね。

これからは個人の時代ということなんでしょうか。

 また無線の技術革新も進んでいます。

UWBが一般化すると周波数割り当てさえ必要なくなるかもしれません。

またWiMaxなどのMAN技術も携帯電話のIP化を進めていくかもしれません。

そうなると端末だけ買って通信会社を切りかえられるなんて時代になるでしょう。

 既得権益なんか守っても時代の流れは止められません。

古いものに固執するのではなく新しいことにどんどん挑戦していかないと生き残れない時代なのだと思います。

電波利権 電波利権
池田 信夫

新潮社 2006-01
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