ITビジネスモデル 2

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 次にシステムインテグレーションというビジネスについて考えて見たいとおもいます。

1 SIとは

 SI(システムインテグレーション)とはネットワーク製品やDB製品、サーバー製品などを組み合わせて顧客の要望にあったシステムを構築する仕事です。ほとんどが製品の販売代理店的な仕事を行っていますが、独自の付加価値をつけて販売しているSIベンダーもあります。

2 SIの仕事の内容

 SIの仕事は主に箱売りが中心で安く仕入れて高く売るのが基本です。しかしSIベンダーが売っている製品はそのままでは使えません。エンジニアが機器の設置や設定、既存システムとの接続、テストなどの作業を行う必要があります。そういった作業はSE作業費として追加で顧客に請求することになります。

3 SIビジネスの特徴

 SIビジネスは既存の製品を組み合わせて提案するビジネスです。したがってどうしても他社との差別化がしづらい仕事です。顧客の方も複数社から見積りを取りますので受注価格は低レベルになる傾向です。

 また提案作成に多大な労力がかかる割には受注できる確率が低いビジネスです。保守サービスはSIベンダーにとってとてもおいしい仕事です。保守契約ができれば毎年決まったお金が入ってくるためキャッシュフロー改善に非常に貢献します。

4 利益を上げるためにはどうするか

 まずは受注率をどのようにあげるかがキーです。提案して受注できないとそれまでかけた労力は無駄になってしまいます。

 最初に顧客企業の経営陣にアクセスできるチャネルを作り本当のニーズを引き出す必要があります。そのためにも提案チームに業務や経営、会計のことがわかっているメンバーが必要です。コンサル会社と一緒に組んでやる場合が多いですが、彼らはコストが高いため使えるプロジェクトが限られています。経営者はIT最新技術などは興味がありません。会社経営をよくするためにIT技術を入れたいだけなのです。フロントSEであれば少なくともマネージメントやファイナンスの基本知識くらいは習得して経営者と話しができるようにしておくべきでしょう。

5 SIをやっていて気づいたこと

 日々いろんなベンダーの製品を扱って売っていましたが、どうも日本のベンダーの製品は長続きしないことが多いように感じました。つまり途中で会社がなくなったり製品開発が打ち切られたりすることが多かったように思います。

 技術的には海外製のものにそんなに劣っているわけではないのにどうしてなのでしょうか?考えられる原因として

・ 財務体質の脆弱性

 会社が倒産してしまうのは財務に関して経営者が無頓着な場合が多いようです。元大学教授が作ったバイオの会社社長はバランスシートも読めなくてVCが送り込んできた若い社外取締役に全てまかせていました。このような状況では社長が自分の仕事を放棄しているとしか思えません。技術系社長はどうも財務を軽視している傾向にあるようです。

・ マーケティング指向の欠如

 これもIT企業によくある傾向ですが、マーケティングを考えずに売っていることがほとんどです。いいアイデアを思いついて製品化するITベンチャーは多くありますが、売る対象とするターゲットはどこなのか、売れる見込みがあるかなどを定量的に調査している会社を見かけたことがありません。

 特にモノが売れなくなった現代ではマーケティングは必須のスキルだと思います。高度成長期であれば作れば売れたのでしょうが、今の時代は技術だけではビジネスになりません。そう考えると今はビジネスを新たに起こすには難しくなった時代なのかもしれません。

 SIビジネスは競合他社が多く、労働集約型の仕事なので人がたくさん必要になります。したがって今からSIビジネスを行うのであれば新規参入するよりも既存のSI企業に人を派遣するほうがいいでしょう。

 SIビジネスは商社系の子会社が行っている場合が多く、あまりエンジニアリングを重視していません。売り上げや利益などのアウトプットを重視する傾向にありますのでそのあたりも理解して付き合う必要があると思います。

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